shunkoh net - weblog [ 記事リスト | 更新情報 (RSS) ]

「エコ」ではなく、あくまでも「環境」―僕の環境観

(投稿日時 2006-06-26 23:33)

あるいは「環境」という言葉が狭められて使われることについて。僕はエコ(ecology)派ではなくて、あくまでも環境(environment)派だという話。

エコロジーという言葉

環境問題を扱う話題では「エコ」という言葉を用いることが一般的になっている。この言葉の語源が「エコロジー (ecology)」にあるということは多くの人が聞き知っていると思うけど、その意味はちゃんと把握しておいてほしい。「エコロジー」という言葉は「環境」という言葉とは少し違ったニュアンスを持っていて、簡単に言えば「自然環境」のことを指す。英単語の真意を掴むために、以下にいちおう英語の辞書による説明も引用しておく。

ecology

the relationships between the air, land, water, animals, plants, etc., usually of a particular area

(拙訳:エコロジー‐空気や大地、水、動物、植物などのあいだにある関係のこと。特定の区域におけるものを指すことが多い)

「Cambridge Dictionaries Online - Cambridge University Press」 より

(関係ないけど、市販されている辞書のオンライン版に恒久リンク(いわゆるpermalink)が貼れるのはすごいなぁ)

「環境」の捉え方について

あるいは人工環境に対する意識の欠如について。

「環境」という言葉は、考慮する人やものの「周りのこと全体」を表す言葉のはず。でも、「エコロジー」という言葉には、人工環境に対する意識は含まれない。でも、人々が気にするべき「環境」というのは自然環境だけではないと僕は考えている。建物、道路、公園など、人工の環境が人々の生活に与える影響は大きいので、これを無視して環境を語ることはできない。

ここまでの内容に沿って環境を分類すると、以下のように言える。

  • 環境
    • 自然環境(空気、森、大地など)
    • 人工環境(建物、道路、公園など)

で、今はエコという言葉について書いている。この言葉を登場させたいので、さらに上の分類を細かく分ける。(この分類に関する細かい解説は省略。異論があればコメントでツッコミを入れて下さい。)

  • 環境
    • 自然環境
      • 自然環境(空気、大地など)
      • 生態系=エコロジー(動植物の関係、食物連鎖など?)
    • 人工環境
      • 人工環境(物質的)(建物、道路、公園など)
      • 社会環境(精神的)

これでやっとエコロジー(生態系)という言葉が出てきた。エコ(エコロジー、生態系)という言葉が指すものは、「環境」という総称よりも狭い内容を表すべきだと僕は考えている。

自分の立場の説明

あるいは環境派でも自然保護ばっかりを扱うわけじゃないということについて。

僕自身は「環境派」というか環境良化に関わりたいと思っている人なのだけれど、エコロジーもしくはエコという表現をあまり使わないし、生態系や自然環境のみに注目して環境を語ることはない。あくまでも自然中心の環境良化ではなく、人間の暮らしを良くするための環境良化を考えている。

もちろんこれは自然環境を軽視しているということではなくて、あくまで人間の暮らしを良くする、もしくは守るような自然環境良化は重要だと思う。ただ僕自身は、生態系の人為的な保全のように自然を過剰に重視した考え方にはどちらかというと反対の立場だ。(というか正確に言うとあまり興味がない。もしくはあまり関与したいとは思わない。)

僕が環境について話すのを聞くときには、このことを理解しておいてもらいたいなぁと思う。とはいっても、この考えを受け入れろというわけではなくて、あくまで僕自身がどういう意識で環境という言葉を使っているか了解しておいて欲しいということ。

あとがき

ということで、「環境派⇒自然保護」というふうな固定観念を持っている人が多いなぁと思うのでいちおう書いてみた。最近は自然環境を守るとかの企業の宣伝が増えてきて、「環境」という言葉の意味がどんどん誤解されるほうに進んでいくなぁと思って、自分が環境派であると言うと変な解釈をされる気がして、宣言がしにくくなっているなぁと感じる次第。

どちらかというと、僕は「社会工学」的な立場で考えているんだなーと最近思う。でも大学で考える対象として選んだ学問はそれよりも化学の色が濃い「化学工学」で、そういう立場では何ができるだろうかということは常々意識しているつもり。

ずっと考えていながら文章に出来なかったことだけど、やっぱりとりあえず少しずつでも自分の意見を書いておこう、ってことで、僕の環境観でした。おそらくまだ続くというか続ける。

(当ブログ "life :: environment" カテゴリ 内の記事です)

Writebacks (コメント + トラックバック)

この記事へのWritebackはありません。

現在、このページへのコメントおよびトラックバックは受け付けていません。