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無漂白ティッシュペーパー、トイレットペーパー

(投稿日時 2006-02-20 22:33)

今日ふと思ったのだけれど、ティッシュペーパーとかトイレットペーパーとかってのは、 漂白されている必要など全く無い。 これらの製品は、目的の物をふき取って捨てることが出来れば十分。 あとは肌に問題を起こさなければ、製品として十分成立している。

さすがに、ティッシュペーパーやトイレットペーパーの質などどうでも良いと言うわけにはいかない。 表面がざらざらだったために使った部分が荒れてしまったとか、 何か問題のある物質が含まれていて、使ったら体に害がある、 というのなら製品として問題がある。 しかし、このような話は漂白とは関係ないはず。 むしろ漂白というのは余計な工程であるだけに、問題を増やしていそうな気がする。

そんなことを考え始めて、 こういうことについて何かウェブでも議論されているのかな?と思い、 Googleで「漂白+ティッシュ」を検索 してみた。 まず見たのは GPN(グリーン購入ネットワーク) の中にあった 「ティッシュペーパー購入ガイドライン」 というもの。 これを見てまず初めに気になったのは、以下のようなJIS規定の話。

3)白色度が過度に高くないこと

…わが国ではティッシュペーパーのJISにおいて白色度78%以上という規定があることもあり、 パルプ製品の白色度は80%をかなり上回っているのが現状…

「ティッシュペーパー購入ガイドライン」 より

JIS規定でティッシュペーパーであることを認可されるためには、 白色度が78%以上でなければならない、というふうに僕は解釈した。

JISはなぜこんなことを決まりごとに入れたのだろうか?? この記事の初めに述べた通り、白色度の情報はトイレットペーパーの質を計る目的には全く意味を成さないと思う。 消費者がこのJIS規格に適合しているかどうかなんて気にすることはほとんど(というか全く)無いはずだから、 企業もこんな規格は無視してしまえば良いのに、と言いたい。 まぁそうするわけにも行かない理由があるのかな?

じゃあJISって何のためにあるんだろう?と思い、再度ウェブで調査。 「日本工業標準調査会」 のサイトのFAQに説明があった。

【Q3】JISの目的は何ですか。

A.鉱工業品の品質の改善、生産能率の増進、その他生産の合理化、 取引の単純公正化及び使用又は消費の合理化を図り、 あわせて公共の福祉の増進に寄与することを目的としています。 詳しくは「工業標準化について」をご覧ください。

「日本工業標準調査会:FAQ(よくある質問)目次」 より

うーん、リンク先も見てみたけれど、JISに認可されるメリットがさっぱり分からん。 少なくとも僕は、ちゃんと製品の情報が示されていて、 今までの(色以外の)品質や機能を損なっていなければ、 JISで認可されているティッシュペーパーやトイレットペーパーでなくとも、 漂白処理工程をなくしたペーパーの方を買うだろう。

たのみこむ さんの 商品企画会議室 というところでも、無漂白のティッシュペーパーやトイレットペーパーの話題が見られた。

無漂白ティッシュペーパー

さて、現在世界中の製紙会社が塩素をつかって人類が生み出した最強の毒素ダイオキシンをばらまきたれ流しつつ、 日夜白い紙を作り続けて下すっているワケですが。 どうでしょうここは一つ環境の為に、鼻かむ紙ぐらいは無漂白(わら半紙の色)の紙を使っては。 使い心地に差異はないですし、めだたない色だから野外に捨ててもそうココロは痛みません(苦笑) 無漂白トイレットペーパーもいいかも。どうでしょ。

「たのみこむ」 より

「目立たない色だから野外に捨てても」のくだりは冗談だろうから置いとくとして、 まぁやはり無漂白の製品を提唱している人はいた。 って2001年の書き込み!? 僕は相当話題に乗り遅れてんじゃん…。

ところで、この「たのみこむ」というサイトに、 ヨーロッパには無漂白ペーパーがあるという書き込みがあった。 そういえば確かにドイツでは、家のトイレットペーパーは少しグレーがかった色をしていた。 別にそれが不便だとは思わなかったから、 日本で無漂白ペーパーを売ったとしても、別に問題なく売れるはず。

余談だが、こういうことを書くと ドイツの人は環境を意識していて素晴らしいとか思い始める人がいると思うので、 一応そうでもないことを紹介して牽制しておく。 ドイツでも携帯用のティッシュペーパーは日本と同じような白色で、 それも4枚重ねという豪華さ(?)だった。 だから、ドイツ人も別に環境第一という視点で商品を選んでいるわけではないのだろうと僕は思っている。 その割に彼らは「自分たちは環境のことをよく考えている」と自己アピールをするので、 よく理解できない。おっと、言い過ぎか…。 まぁ4枚重ねってことについては、ドイツの人たちはその厚い紙を「何度も再使用」しているから、 無駄にしているわけでもないと言えるのかな…(汗)

そういえば、ティッシュペーパーの原料使用量に関する件については、最初に書いた 「ティッシュペーパー購入ガイドライン」 でも有用な意見があったので書いておく。

2)ペーパーのサイズが小さいこと

…現在、一般的なティッシュペーパーのサイズには、 ペーパーの面積によってLタイプ(450cm2以上)、 Sタイプ(420cm2以上~450cm2未満)の2つがあり、 市販されている殆どの製品はLタイプのものです。

Sタイプのペーパーサイズであっても一般的な使途においては支障がなく、 LタイプをSタイプに切り替えることで資源の節約に繋がります。 省資源の観点からもサイズの小さいペーパーを使用することが望ましいと考えられます。

「「ティッシュペーパー」購入ガイドライン」 より

試しに今使っているティッシュペーパーの商品説明を見てみたら、 197mm×229mm で 451cm2、確かにLサイズということになる。 これをSタイプの最小サイズ420cm2に縮小するとして、 例えばこの紙の長辺を2cm減らすことになるか (20cm×21cm=420cm2)。 まぁ確かにこれくらいの大きさにしても、使いやすさに関しては問題なさそう。

ただ、サイズ変更によってボックスの大きさまでも変わることになると、 ティッシュ箱入れみたいのを使っている人にとっては厄介かもしれない。 450cm2から420cm2への面積7%減の効果の一方で、 ティッシュ箱入れが使えなくなってゴミになる問題もあるというわけ。 まぁ僕自身はティッシュ箱入れみたいのは使っていないからどうでもいいけど。 そういえばこれと同じような問題で、 ティッシュ箱の高さが小さくなった時も結構浸透に時間がかかってたっけ。

ところで、古紙を再生してトイレットペーパーやティッシュペーパーを作ると、 蛍光増白剤の残留の問題もあるんだな。 確かに蛍光増白剤なんてものが体に付着しやすいようなトイレットペーパーやティッシュペーパーがあったら使いたくない。

現在、トイレットペーパーの製造過程で蛍光増白剤は使用されていませんが、 古紙に含まれる蛍光増白剤をリサイクルの過程で完全に取り除くことができないため、 古紙製品には蛍光増白剤が残留しています。 しかし、残留量は極めて少ないので古紙製品の利用を推進すべきです。

「「ティッシュペーパー」購入ガイドライン」 より

まぁどちらにしろ古紙再生の際にほとんどが取り除かれているだろうから、 トイレットペーパーやティッシュペーパーの製造社には関係ないはず。 どんどん古紙を使ったトイレットペーパーやティッシュペーパーを作って下さい。

ところで、商大えこぷらんさんの 道栄紙業株式会社の見学記録の中に、以下のようなコメントが。

漂白しないものを製品化することはできないのか。漂白しない分、安くなるのではないか。

<回答>漂白しなければその分安くなりますが、 実際消費者の方に買っていただけなければ商品として出すことはできません。 日本人は白さにこだわる人種のようです。 外国では漂白しない紙もありますし、ピンクなど色をつけた紙もありますが、 日本ではそのようなものはなかなか売れません。

「道栄紙業株式会社見学会報告書」 より

ちゃんと利点を説明すれば、白くなくても十分問題なく売れるはずです。

でもいくら漂白工程を省略したら商品が安くなるからとは言っても、 新しい企業がそこそこの数量を生産したところで、 大手の大量生産による値段押さえには及ばないんだよな…。 つまり、無漂白ペーパー定着のための道筋としては、以下の2通りがある。

  1. 新鋭企業が無漂白ペーパーを大量生産
  2. 大手が漂白をやめる

一つ目の方法でいければ何も苦労しないのだけれど、 そこまでのリスクを負うような起業というのはなかなか考えられない。

そうすると、現実的には二つ目の方法で無漂白ペーパーが定着するのが普通な気がする。 しかし、このためには漂白済み製品の不買運動を展開しなきゃならないことになりそうだが… 賛同する消費者がそれだけたくさんいるだろうか? 現状ではこういった製品を買うのは主婦層ということになるから、 漂白工程を省略すると製品の値段が安くなるという仕組みを理解してくれるかどうか。 というかそれをどんな場面でアピールできるのかという点で見通しが立たないかも。

結局のところ無漂白のものを浸透させるために一番の障壁となるのは、 人々の意識だと言える。これは多くの環境問題において当てはまること。 同じ紙質の製品を使ったとしても、有色の製品より白色の製品の方が柔らかいと感じる人はたくさんいるだろう。 これを解決するのはややこしい。 僕自身は技術の面から改善できる環境問題を扱おうと思って勉強しているが、 それでは解決しきれないこういう問題にも、いずれは関わらなきゃならないだろうな。

(当ブログ "life :: environment" カテゴリ 内の記事です)

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