[読書メモ]竹内薫「99.9%は仮説 思い込みで判断しないための考え方」
- 本 : 竹内薫 「99.9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方」
- 光文社新書、2006
- 2006/3/22 ~ 2006/3/24
- 参考リンク 竹内薫公式サイトおよびその中の『99.9%は仮説 思い込みで判断しないための考え方』特設ページ
同時に買っていた「ウェブ進化論」の読書メモ(4月25日掲載)に続き、こちらのメモも遅ればせながら残しておきます。
購入の経緯については3月3日の購入メモを参照。「404 Blog Not Found」の小飼弾さんによる書評「残り0.1%も仮説」を読み、購入に至った。既に読み終わってから一ヶ月も経っているわけだけれど、なかなか意見がまとまらず、この読書メモを書くのにもしばらく躊躇してしまっていた…。
この本は科学の特性を知ることだけではなくて、日常の様々な情報とつきあうための教科書、つまり情報リテラシーのような概念を知る目的のためにも有用であるように思った。その意味ではウェブ上の文書「ニセ科学入門」や「議論のしかた」なども参考になるので、興味があればこちらも。上手く言葉で表現することができないのだけれど、「正しい」という概念を知る上でこれら3つの文書は大きな関連があると感じた。「99.9%は仮説」では、「共訳不可能性」として取り上げられている部分がこれに該当するかと思う。
帯の売り文句「飛行機はなぜ飛ぶのか?科学では説明できない!」について、友人からどういう内容だったのかを聞かれていたと思うので、いちおうそれにも言及。僕の理解した範囲では、飛行機が飛ぶ仕組みについて科学者はいろいろな機構(=仮説)を考案し、提供してきたけれど、それらの機構の正しさを直接観測できたことはないということだというふうに読み取った。これもあまり本の内容をたくさん書くと著者に失礼な気がするので、やはり詳しいことは原著に譲りたい。簡単な流れを説明すると:
- 一般向けの簡単な「飛行機の飛ぶ仕組み」の説明:翼の上下での空気流速差とそれによる圧力差の測定結果に対してベルヌーイの定理を適用すると、翼への浮力が説明できる?
- 翼の上下で空気の流れる速さに差があることはたしかに観測で実証されているが、その現象が起こる仕組みの説明が不明確
- ゆえに飛行機の飛ぶ仕組みの説明としては十分でない
- 航空力学:翼の内部にあるという仮想渦(?)を用いた「渦理論」で、翼への浮力が説明できる?
- 「渦理論」において翼の内部にあると仮定された渦が未確認であること
- ゆえにこれも飛行機の飛ぶ仕組みの説明としては十分でない
という感じ。ただこの辺りの説明は、正直言っていまいち物足りないなぁと感じた。読者の関心をひきつけるための説明だったのかなという感じ。あまりこの本の主題であるようには思えないので、僕としてはそんなに強調したい部分ではなかったりする。帯のように飛行理論の不備を指摘する部分がこの本の主題であるかのようにやたらと強調するのは、この本の魅力を伝え切れていないため販売機会を損なっていると感じた。僕だけかな?
ちなみに僕自身は飛行機が飛ぶのは「ベルヌーイの定理」の問題ではなくて、単純な空気抵抗による作用反作用によるな気がしている(けれど、別に確固とした理論があるわけでもないのでスルーして下さい)。
弾さんは「この春に読みたい!TOPエンジニア推薦のIT技術書20冊/Tech総研」でもこの本を紹介していた。弾さんは3人目。「舞台裏の記録」として本人が書いていた「「TOPエンジニア推薦のIT技術書20冊」Perlの4冊」ではこれでも相当悩んで絞ったと語っているけれど、そのうちの4冊にこの本が選ばれたと思うとそれだけ重要な本なんだなぁと感慨深い。しかし弾さんは2万冊も本を持ってるなんてすごいなぁ…。この「99.9%は仮説」だってものの15分で読みきったというから驚き。
う~ん、この読書メモも単なるメモになってしまって、「人に読む気を起こさせる」ようなレビューには程遠いね…。
(当ブログ "life :: books" カテゴリ 内の記事です)
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